2024年3月9日土曜日

海外の素敵な建物やデザイン16 マントヴァのPalazzo Ducale/Sala dei Fiumi

今回は イタリア・マントヴァ ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducalの素敵なお部屋の中でも

有名なSala dei Fiumi (Room of Rivers) ほかについて記事にしていきたいと思います。


Sala dei Fiumiはロココ様式の装飾が施された部屋。

グリエルモ・ゴンザーガの命で1579年に設計され、18世紀にヴェローナの画家

ジョルジョ・アンセルミ Giorgio Anselmi によって川の人物像と金庫室の絵

(父アポロンに太陽の戦車を求めるフェートンの神話のテーマ)が描かれたそうです。

 「The Ducal Palace Mantua」 によるとこの空間は建築家で舞台美術家の Garteano Crevolaに

よりかたち作られ その後、ジョルジョ・アンセルミ Giorgio Anselmi と共同して改築され、

より精巧で建築的な造形を持ち、光のある劇場として使える空間になったそうです。

現在でも 音楽ホールなどとして使用されているそうです。


この時期(1773年から1775年頃)オーストリアの介入により旧中庭が公邸として使用されて

おりその時に壁と金庫の絵画装飾が行われたといわれています。

中央のエピソードの周りに配置されているのは時と土星の姿で、後ろから下を見た図像で

時間の経過を表しています。

          Anton Maria Vianiによる グロッタ (岩壁)

このお部屋が  Sala dei Fiumi (Room of Rivers) 「川の間」と呼ばれるのは

壁面にマンドヴァ周辺を流れる5つの川を擬人化されたものが描かれているからなのです。

5つの川は ポー川、オリオ川、ミンチョ川、キーゼ川、セッキア川

il fiume po, il fiume d'oglio,  il fiume Mincio, il fiume Chiese, il fiume Secchia 

キーゼ川、オリオ川,セッキア川はポー川の支流、ミンチェ川はポー川水系だそうです。

ロンバルディア地方はポー川の恵みで肥沃な大地が広がり食文化や他の文化も豊かに形成

れた地方だと聞きます。

その川へのありがたい気持ちを擬人化して表現したお部屋なのでしょうか。

天井の Phaeton's Chariot 馬車に乗るファエトンの絵もジョルジョ・アンセルミ 

Giorgio Anselmi によるものだそうですが、圧巻です。
中庭が見えます。当初この中庭に浮いたような感じで作られたとか。


この川の間 Sala dei Fiumiの部屋の位置は案内図34

ドゥカーレ宮殿には、これまでご紹介したお部屋などがある建物から見ると離れのような位置

に サン・ジョルジョ城 Castello di San Giorgio があります。


案内図 向かって左下、Castleの部分の17の部屋がCamera degli Sposiになります。

ここで 少し本題から外れます。

「川の間」はsala dei Fiumi で「結婚の間」は Camera degli Sposiと

 日本語では同じ「間」が sala とcameraとイタリア語では異なる単語が使われているのが

少し気になったので、辞書を引いて見ました。

salaは同じ部屋を表すのにも広めの部屋やホールの場合に使われ、cameraは寝室や個室の部屋

他えばホテルの客室などの場合に用いられるようです。

では、本題に戻って。。

この サン・ジョルジョ城 Castello di San Giorgio には ドゥカーレ宮殿で最も

(と言えるでしょう)有名なCamera degli Sposi(結婚の間)があります。

訪問した2016年には、この部屋の見学は予約制でした。

ミラノから電車でマントヴァへの日帰り旅でしたので、見学時間と予定とが合わず

Camera degli Sposiの アンドレア・マンテーニャによる Andrea Mategna 天井の騙し絵の

見学ができずとても残念でした。

この騙し絵の絵葉書や、天井をモチーフとしたエコバックなどを購入して後ろ髪を引かれる

思いで、宮殿を後にしたのでした。


空から天使たちがのぞいているこの絵。天使の表情もいいですね。

素敵な絵葉書です。実物はとても美しいのでしょう。マンテーニャの傑作です。

このお部屋について「The Ducal Palace Mantua Electa」の本より写真や記事を

ご紹介いたします。

西側および北側の壁に描かれている アンドレア・マンテーニャによる Andrea Mategnaによる

「The Meeting」と「The Court」




西側の壁に描かれているアンドレア・マンテーニャによる Andrea Mategnaによる

「The Meeting」の詳細です。


西側の壁に描かれているアンドレア・マンテーニャによる Andrea Mategnaによる

「The Court」の詳細で、ゴンザーガ一族が描かれているそうです。

アンドレア・マンテーニャAndrea Mategna はパドヴァ派の代表格とも言われる画家で有名

です。

ご興味や機会がありましたらぜひ本などでもご覧いただければと思います。


2024年3月6日水曜日

海外の素敵な建物やデザイン15 マントヴァのPalazzo Ducale/Sala dello Zodiaco

今回は イタリア・マントヴァ ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducaleにある素敵なお部屋

Sala dello Zodiaco(Room of Zodiac)ほかについて記事にしていきたいと思います。


まずは 前回の案内図6のホール 「鏡の間」Galleria degli Specchi の近く案内図10の部屋

Sala del Crogiola   坩堝の部屋  をご紹介いたします。

こちらの部屋には、肖像画が数多く展示されています。

向かって右側が ラウーラ・デステ Laura d'Este

向かって左側が ミランドラ公爵アレッサンドロ・ピコ の肖像画です。

ヴェネツィアで活躍し、マントヴァに呼ばれたサンテ・ペランダ Sante Peranda(1566−1638)

の作品です。

肖像画といった芸術品もそうですが、鏡やテーブルなどの家具も大変素晴らしく、

一眼でも見る価値があります。



ここで、前回までにもご紹介した、ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducale の案内図を

ご紹介いたします。

この案内図は ミュージアムショップで求めた 「THE DUCAL PALACE MANTUA」Electa

より出典させていただきました。


案内図6の「鏡の間」Galleria degli Specchi より少し間口の狭いホールの方へ曲がると

案内図29の Corridoro del Mori (Corridor of the Moors)  ムーア人の廊下 

 へ行くことが出来ます。

アントニオ・マリア・ヴィアーニ Antonio maria Viani(1540-1629)

により制作されたフレスコ画の天井がとても美しいです。

アントニオ・マリア・ヴィアーニ Antonio maria Viani(Cremona.  1540-1629)はルネサンス期の

イタリアの画家兼彫刻家。ヴィチェンツォ1世ゴンザガ公爵に招かれ宮廷画家として

このギャラリーの内装を手掛けました。Capuaでも働いたそうです。

天井はもちろん 壁の装飾も絵画のように美しいですね。

カンヴァスに描きたいイメージを形にしたような壁だと思います。

Corridoro del Mori (Corridor of the Moors) をさらに進むと 案内図33のSala dello Zodiaco

(Room of  the Zodiac) 「星座の間」 へ到着します。


 こちらの部屋も内装がとても素敵ですが、やはり圧巻なのは天井。


天井全体に星座が描かれており、優雅に夜星空を眺めているような、また神話の世界に

飛び込んだような気持ちになります。

中央には戦車に乗った女神様の姿が見られます。



この天井画は1578年 マントヴァ公爵グリエルモ1世ゴンザーガ(Mantua1538-1587)

の指示で、ロレンツォ・コスタ・イル・ジャーヴァネ Lorenzo  Costa il Giovane

( the Younger)(Mantua1537-1583)によって

フレスコ画とスタッコ彫刻でつくられたそうです。

マントヴァを訪れる機会がありましたら、この美しい部屋をぜひ見ていただきたいです。





日本の素敵な建物や庭園④皇居東御苑の諏訪の茶屋

 前回ご紹介した和田倉噴水公園のすぐ近くにある皇居東御苑は、 その庭園や林の美しさもさることながら、歴史ある建造物なども多数あり、 日本の美しい建物を見ることができます。 大手門から入り大手三の門を抜けると、左手(写真右)に百人番所などがあります。 長さ50mを超える建物だそう。...