今回は イタリア・マントヴァ ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducalの素敵なお部屋の中でも
有名なSala dei Fiumi (Room of Rivers) ほかについて記事にしていきたいと思います。
Sala dei Fiumiはロココ様式の装飾が施された部屋。
グリエルモ・ゴンザーガの命で1579年に設計され、18世紀にヴェローナの画家
ジョルジョ・アンセルミ Giorgio Anselmi によって川の人物像と金庫室の絵
(父アポロンに太陽の戦車を求めるフェートンの神話のテーマ)が描かれたそうです。
「The Ducal Palace Mantua」 によるとこの空間は建築家で舞台美術家の Garteano Crevolaに
よりかたち作られ その後、ジョルジョ・アンセルミ Giorgio Anselmi と共同して改築され、
より精巧で建築的な造形を持ち、光のある劇場として使える空間になったそうです。
現在でも 音楽ホールなどとして使用されているそうです。
この時期(1773年から1775年頃)オーストリアの介入により旧中庭が公邸として使用されて
おりその時に壁と金庫の絵画装飾が行われたといわれています。
中央のエピソードの周りに配置されているのは時と土星の姿で、後ろから下を見た図像で
時間の経過を表しています。
Anton Maria Vianiによる グロッタ (岩壁)壁面にマンドヴァ周辺を流れる5つの川を擬人化されたものが描かれているからなのです。
5つの川は ポー川、オリオ川、ミンチョ川、キーゼ川、セッキア川
il fiume po, il fiume d'oglio, il fiume Mincio, il fiume Chiese, il fiume Secchia
キーゼ川、オリオ川,セッキア川はポー川の支流、ミンチェ川はポー川水系だそうです。
ロンバルディア地方はポー川の恵みで肥沃な大地が広がり食文化や他の文化も豊かに形成
れた地方だと聞きます。
その川へのありがたい気持ちを擬人化して表現したお部屋なのでしょうか。
天井の Phaeton's Chariot 馬車に乗るファエトンの絵もジョルジョ・アンセルミこの川の間 Sala dei Fiumiの部屋の位置は案内図34
ドゥカーレ宮殿には、これまでご紹介したお部屋などがある建物から見ると離れのような位置
に サン・ジョルジョ城 Castello di San Giorgio があります。
案内図 向かって左下、Castleの部分の17の部屋がCamera degli Sposiになります。
ここで 少し本題から外れます。
「川の間」はsala dei Fiumi で「結婚の間」は Camera degli Sposiと
日本語では同じ「間」が sala とcameraとイタリア語では異なる単語が使われているのが
少し気になったので、辞書を引いて見ました。
salaは同じ部屋を表すのにも広めの部屋やホールの場合に使われ、cameraは寝室や個室の部屋
他えばホテルの客室などの場合に用いられるようです。
では、本題に戻って。。
この サン・ジョルジョ城 Castello di San Giorgio には ドゥカーレ宮殿で最も
(と言えるでしょう)有名なCamera degli Sposi(結婚の間)があります。
訪問した2016年には、この部屋の見学は予約制でした。
ミラノから電車でマントヴァへの日帰り旅でしたので、見学時間と予定とが合わず
Camera degli Sposiの アンドレア・マンテーニャによる Andrea Mategna 天井の騙し絵の
見学ができずとても残念でした。
この騙し絵の絵葉書や、天井をモチーフとしたエコバックなどを購入して後ろ髪を引かれる
思いで、宮殿を後にしたのでした。
空から天使たちがのぞいているこの絵。天使の表情もいいですね。
素敵な絵葉書です。実物はとても美しいのでしょう。マンテーニャの傑作です。
このお部屋について「The Ducal Palace Mantua Electa」の本より写真や記事を
ご紹介いたします。
西側および北側の壁に描かれている アンドレア・マンテーニャによる Andrea Mategnaによる