前回に引き続き イタリア・マントヴァにあるテ離宮 Palazo del Te の「巨人の間」
「Sala dei Giganti」のことを記事にしたいと思います。
案内図15の部屋がPallazo del Te の「巨人の間」「Sala dei Giganti」です。
この部屋はこの建物の中でも最も有名な部屋で、その豊かな独創性と表現力は半世紀ほど
経った現在でも訪れる人を魅了します。
この空間の中に「巨人と戦うギリシャ神話の神々」が、壁・天井にぎっしり描かれています。
1532年から1535年までの年月をかけて描かれたそうで、その壮大さ、スケールの大きさ、
迫力には圧倒されます。
この部屋はモールディングを持たないただ一つの部屋で、この部屋は建築というより
神々や巨人の姿が素晴らしいため、部屋全体がキャンヴァス・絵画という印象を受けます。
「画家・彫刻家・建築家列伝」などルネサンス期の芸術家の評伝を書いたヴァザーリ
(Giorgio Vasari 1511-1574)は1541年にジュリオ・ロマーニ Giulio Romaniにマントヴェへ
招待をされた際、「ジュリオ・ロマーニ Giulio Romaniの作品を見るのにこの地を4日間は
離れることをできなかった」と述べているそうです。
ヴォールト天井の写真 出典「Palazzo Te Mantua Skirt Guides SKIRA」
南側の壁の写真 出典「Palazzo Te Mantua Skirt Guides SKIRA」
この部屋にはオリンポスの神々に対して巨人族が反乱を起こし、ゼウスの雷で巨人たちを
倒したという、オウィディウスの変身物語の一場面が描かれています。
ジュリオ・ロマーニGuilio Romaniはこの神々と巨人という比喩的な構成を持つ絵の空間を
演出するために、建築面としての壁同志の境界、壁とヴォールト天井との境界が
感じられなくするような工夫をし、素晴らしいこの絵をこの部屋に描いているのです。
18世紀に改装されるまでは、床には川の玉石が敷き詰められ、不安定な足元の中で
迫力ある神秘的なこの「Fall of the Giants」を当時の方たちはみていたのかと思うと
歴史のロマンを感じます。
部屋を出て案内図10の 「風の間」へ進みます。
この部屋は壁にモールディングがあり、暖炉のような造作も見られます。
天井の数種類の多角形の中にフレスコ画が描かれ、その周囲にはやはり装飾が見られます。
建築と絵画との関係で考えると、先ほどの「巨人の間」との違いがよくわかります。
案内図12の「LOGGIA DI DAVID」へ進みます。
建物を出て 案内図25のGrotto
鍾乳洞?洞窟?
手を触れないように アタッチオーネ と遠隔でスピーカーから注意されました。
案内図26のアーチ壁を臨みます。
中も外も素晴らしい テ離宮 Palazzo del Teでした。